Q&A

「粘弾性オイル」って何?(粘性油膜、弾性油膜)

エンジン、ミッション(AT・MT)、デフなどがオイルによって潤滑されるとき、パーツの接触面は油膜によって保護されています。油膜には粘性油膜と弾性油膜とが存在します。

粘性油膜は一般的にも知られていて、オイルの持つ粘性(ねばり感として誰にでも認識できる)によって回転軸面に圧力が発生することによって粘性油膜が形成されます。これがオイル業界で一般的に言われる油膜です。

弾性油膜の存在が証明されたのは、1950年代以降でまったく新しい油膜の存在であったために、近年までは機械設計者ですらあまり認識されていませんでした。

しかし現在においては弾性流体潤滑理論(EHL理論)として確立されており、弾性油膜の厚さを見積もる「式」が確立されたことによりその式を利用してエンジン、ミッション、デフなどの設計時には必ず使用されています。

// 参考 //
荷重を受けている歯車(ギア)、トラクションドライブ、転がり軸受けの接触部などは弾性油膜によって潤滑されている。 (トラクションドライブ、CVT(オートマ)などの無段階変速方式もトラクションドライブと呼ばれる)